著者は「スリードッグ・ベーカリー」の創業者。愛犬であるグレーシーという犬の物語です。

ある日出会ったグレートデンの子犬。でもその子犬には障害があったんですね。料理すらも作ったことのない男が愛犬のために手作りのお菓子を作り始めたことがのちの「スリードッグ・ベーカリー」の立ち上げに繋がります。

障害にも負けず(というか犬にしてみれば自分が他の犬と比べて劣っているとかいう感覚はないであろうけど)楽しく毎日を過ごすグレーシーの姿には、犬暮らしの人間としてはやはり心が打たれます。

僕たち人間はなぜでしょうね、他と比べてしまう。そしてそのほとんどは優越を感じるというよりは劣等感を感じてしまうことばかり。だから犬たちの“今を楽しく生きる姿”は、人間からするととてもキラキラして羨ましく思うのでしょう。

“幸せ”というのは誰かより優れているとかそういうことではないんですよね。それを自分なりに感じ取れる1冊です。

【著者】ダン・ダイ+マーク・ベックロフ

【訳】上野圭一